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今インターネットで大きな革命が起ころうとしています.
そのキーワードはWeb 2.0.明暗を分けるこのキーワードについて考えて見ます.
Web 2.0というのは考え方であり,特定の技術を示すものではありません.Web 2.0とは何であり,現状と何が違うのでしょうか?
現在広く使われているWebは,Web 1.0あるいはWeb 1.5と呼ばれます.Web 1.0とは,www創初期からある,ファイルを返すだけの静的なコンテンツです.今でも,多くのサイトはWeb 1.0です.
Web 1.0に加え,CGIなどのサーバサイド処理を行い,動的なコンテンツがWeb 1.5です.検索エンジンやショッピングカートなどがWeb 1.5に当たります.
Web 2.0はこれに加え,セマンティック・ウェブやユーザ参加型という考え方を取り入れたコンテンツといえます.コンテンツだけではなく,それを実現する技術や考え方も含めまてWeb 2.0と言われます.
今,世界中がWeb 2.0に向けて動き始めています.まさにWeb 2.0ショックとも言え,今後の生き残りはいかにWeb 2.0へ移行できるか,であるとも言えます.
Web 2.0の中核を成すのが,セマンティック・ウェブという考え方です.wwwの考案者であるTimothy John Berners-Lee氏の提唱する,既存のHTTPとXMLを組み合わせ,コンテンツに意味を持たせる事で,wwwを単なる閲覧だけではなく,情報として扱おうとする考え方です.
セマンティック・ウェブの実現の一つとしてよく上げられるのがRDF/RSS/ATOMという技術です.これはXMLを使い,情報を伝達する仕組みで,Blogの普及とともに,一般的になりました.
元来,HTMLというのは,情報の意味を記述する言語であって,見た目などのデザインに関する記述は,CSSなどの別の手段を取るべきだったのに,ブラウザ戦争の弊害か,ほとんどのHTMLでは情報の意味ではなく見た目を記述してしまっています.
それでも,確かにグラフィカルなブラウザを人間の目で閲覧すれば,情報になるかもしれませんが,コンピュータで取り扱おうと思うと難しくなります.
XMLでは情報の意味と見た目を全く分離し,XMLは情報の意味だけを記述するようになっています.そのため,コンピュータで取り扱うことが容易になりました.
例えば,RDF/RSS/ATOMはコンテンツの更新情報の配信などで使われていますが,ここで配信された更新情報をコンピュータで処理することで,異なる複数のコンテンツの更新情報の一覧を作ることもできます.実際,RSSアグリゲータが内蔵されたサービスはいくつか見かけます.
もちろん,セマンティック・ウェブの本質はRDF/RSS程度ではなく,もっと大きなものです.しかし,それには情報のXML化を進めないといけません.
今までのコンテンツは提供者と閲覧者が明確に別れ,提供者は提供するだけ,閲覧者は閲覧するだけ,という関係でした.
しかし,今コンテンツ自体をユーザ主導で作り上げていく考え方が出てきています.例えば,Wiki(ウィキ,Wiki Wiki Web)であったりソーシャル・ネットワーク(SNS,Social Network Service)などがその典型です.
オンライン百科事典のWikiPedia(ウィキペディア)は,ただ閲覧するだけでなく,誰でも加筆・修正することができます.これにより,今までは実現不可能だった規模の百科事典が,世界レベルで作られ,管理されています.
Web 2.0へ移行するまでの過渡期である現在,Web 2.0の実現の形の一つとして,Web APIがあります.
Googleが同社のサービスをWeb APIで公開し世界にショックを与えたのをきっかけに,AmazonやYahoo!なども,サービスを順次Web APIに対応させています.
Web APIは情報をXMLで提供することで,外部から情報を取り扱えるようにするサービスです.
例えば,AmazonでDVDを買おうと思えば,普通はAmazonのサイトへ行き,商品を探し,購入します.これはWeb 1.5であり,情報は人間が直接閲覧しています.
Web APIを使うと,この商品を探す,購入するといった行動を,情報として取り扱うことができるため,コンピュータに任せることができます.開発者はWeb APIを使うことで,Amazonの情報やサービスをシームレスに取り扱うことができます.
今までなら,商品情報のページに対し,リンクを張るといった方法しか,情報へのアクセスができませんでしたが,Web APIを使えば,AmazonからXMLで取ってきた情報を,自分に合うように加工し,利用者に提供することができます.簡単に言えば,Amazonのサービスを,自社のサイトで提供できるのです.
もちろん,これはWeb APIの最も基本的な使い方であり,活用によっては様々な面白いサービスも考えられます.
今まで,高度にインタラクティブなコンテンツを提供しようと思うと,Java AppletやFlashなどの,wwwではない技術を使う必要がありました.しかし,Ajaxに代表される,既存のwwwの技術であるJavaScriptとDOMオブジェクトの組み合わせにより,新しいユーザ体験が生まれました.
Ajaxを広く知らしめたのは,Google Mapsでしょう.ただ単に地図が表示されるだけでなく,縮尺の変更や,位置の移動もマウスでドラッグすだけで操作でき,それがFlashを使わないのにインタラクティブに動作したのです.
技術的には,JavaScriptやXMLを組み合わせただけであり,今までも作ることはできたのですが,有用なアプリケーションが無かったために,広く知られることはありませんでした.
Googleはその後,同社のGMailやGoogle News,Google Personarizedなど,コンテンツの多くでAjaxを導入しています.
まだWeb 2.0は動き出したばかりです.しかし,今Web 2.0に取り組むか否かが明暗を分けるでしょう.
Web 2.0は新しく高度な技術ではありません.既存の技術を如何にうまく組み合わせるか(マッシュアップ),という発想がカギになります.
Web 1.5から移行できないサービスは,時代に取り残されるでしょう.